書籍紹介「「がん活」のすすめ」川口知哉 著

「「がん活」のすすめ」
川口知哉 著 ISBN978-4-06-542609-8

「がん活」とは、科学的に正しいとわかっているがんの予防策をできるところから生活に取り入れて習慣にすることである。では、忙しい日常のなかで、私たちはどうすればこうした活動を続けていけるのか。そこで、著者が着目したのが、世界の「賢人」「偉人」ともいわれる先人たちが残した名言であり、それは、自己のメタ認知を促し「がん活」のバックボーンとなる。

1.がんの本質と5つの生活習慣
(1)ヒトゲノム解析などにより、がんは遺伝子変化の集合体であることがわかった。
(2)遺伝子変化をもたらす環境因子もわかり、がんになるのは偶然ではなく「理由」がある。
(3)加齢は最大の発がん因子だが、生活習慣によりその影響を和らげることは可能である。
(4)5つの生活習慣(①禁煙、②適正体重、③定期的な運動、④節度ある飲酒、⑤健康的な食事)を守れば、がんの死亡リスクは約65%低下する。

2.5つの生活習慣とがん
(1)喫煙者は非喫煙者よりも日本人で約4~5倍、肺がん発症の確率が高い。
(2)禁煙はいつ開始しても確実に死亡リスクを下げる。
(3)肥満はさまざまながんに共通する、確実なリスク因子である。
(4)運動はさまざまながんに共通する、確実な予防因子である。
(5)「有酸素運動+筋トレ」を組み合わせるのが、がん予防では効果的である。
(6)がん予防のためには、酒は飲まないのが最善である。とくに日本人に多いフラッシャー体質の人は、少量の飲酒でも危険である。
(7)①加工肉・赤肉、②塩分、③糖は、がんリスクを高める。
(8)①野菜・果物、②青魚、③大豆、④食物繊維は、がんリスクを抑える。

3.感染によるがん
(1)日本人のがんの約2割はウイルスや細菌の感染が原因である。
(2)胃がんのおもな要因はピロリ菌である。
(3)HPVワクチン(子宮頸がん)とHBVワクチン(肝細胞がん)は将来のリスクを確実に下げる。

4.睡眠とストレスとがん
(1)不規則な睡眠や「質」の悪い睡眠は免疫機能を抑制し、発がんリスクを高めるおそれがある。
(2)ストレスがHPA軸(視床下部一下垂体一副腎)が過活動を招くと、免疫を阻害し、がんリスクを高めるかもしれない。
(3)読書はストレスを軽減させる特効薬である。

科学と名言でつくる「がんを寄せつけない習慣」!!

2026年8月6日 9:08  カテゴリー:書籍紹介

《夏期休業のお知らせ》

平素より格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら、弊社では下記の期間を夏期休業とさせていただきます。

【休業期間】2026年8月13日(木)~8月14日(金)

ネット・FAXでのご注文・お問い合わせは承っておりますが、
商品の発送・お問い合わせの返信は8月17日(月)より順次対応させていただきます。

皆様にはご不便をお掛けいたしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

2026年8月3日 15:35  カテゴリー:お知らせ

書籍紹介「「心の不調」の脳科学」加藤忠史 著

「「心の不調」の脳科学」
加藤忠史 著 ISBN978-4-06-542020-1

精神疾患と診断されなくても、「心の不調」を抱える人はストレスの多い現代社会で増加しています。うつ病、発達障害、摂食症、心身症、睡眠障害、虐待、スマホやギャンブル依存、強迫症、愛着障害、PTSD、老年期うつ病、認知症、双極症、統合失調症…全ての症状は「脳の変化」が生じますが、脳内でいったい何が起きているのでしょうか。ここでは、今まで見えなかった脳内の変化をPET(陽電子放出断層撮影)で可視化する研究に限定して考察します。

1.精神疾患をPETで早期診断
PETでは陽電子を放出する放射性物質を分子につけるPET薬剤を投与します。PET薬剤は標的 となるタンパク質に選択的に結合し、陽電子を放出し、「バイオマーカー」になります。

2.うつ病や新型コロナ後遺症では脳内炎症が起きている
(1)脳内炎症ではグリア細胞のミクログリアとアストロサイトが関与しています。
(2)ミクログリアは脳内の免疫機能を司る細胞で、脳内で損傷があると「活性化ミクログリア」となって、細胞の残骸を食べたり炎症性サイトカインを放出し、損傷面所を修復します。
(3)さらに、不要なシナプスを貪食し、脳内の神経回路の維持にも関わっています。
(4)一方、アストロサイトは、神経細胞の信号伝達などを調節する機能があります。
(5)さらに脳の血管を取り囲んで「血液脳関門」を形成します。
(6)ところが、脳内炎症が起きると「反応性アストロサイト」となり信号伝達に不具合が起きたり、血液脳関門が緩んで異物が脳内に侵入します。
(7)PETで可視化すると、うつ病の患者さんの脳の前頭葉で、活性化ミクログリアも反応性アストロサイトも増加しています。
(8)さらにうつ病の罹患期間が長いほど、両者とも増加する傾向があります。
(9)新型コロナ後遺症でも、脳幹や線条体、前頭葉の一部や海馬において、反応性アストロサイトが増えていることがわかりました。

3.脳内炎症によって、タウタンパク質が蓄積する
(1)タウタンパク質の蓄積により、神経細胞の機能が低下したり細胞死が起きる。
(2)タウは主に神経細胞の微小管に集まるタンパク質の一種です。微小管は、たくさんのタンパク質が集まってチューブを形成しています。
(3)微小管はタンパクがバラバラになって壊れる過程と、集まってチューブを作る過程の新陳代謝を繰り返しています。

4.タウの蓄積を可視化する技術と蓄積を減らす薬剤の開発
(1)PET薬剤の改良・開発により、多種類のタウ凝集体がどの脳領域に蓄積しているかを高精度に可視化できるようになりました。
(2)例えば、タウが蓄積する脳部位を調べることで、アルツハイマー型か前頭側頭型かを識別できるようになりました。
(3)現在、製薬企業でタウを除去する薬の開発が進められており、すでに臨床試験の段階です。

5.慢性外傷性脳症(頭部への大打撃の大問題)
米国を中心にタウの蓄積が認められる慢性外傷性脳症は大問題になっていますが、日本ではほとんど話題になっていません。
(1)頭部への繰り返しの打撃から、数ヵ月後ないし数十年が経過してから、うつや不安などの精神症状や認知機能の低下が現われる神経変性疾患です。なお、打撃だけでなく、頭部の振動も発症原因となります。
(2)頭部への打撃や振動で、脳内の神経細胞に物理的な力が働き、微小管を構成するタウを含むタンパク質がバラバラになり、さらに脳損傷に伴う炎症でタウの過剰なリン酸化と蓄積が進むと考えられます。
(3)具体的な対象者は、ボクシング、アイスホッケー、プロレス、ラグビー、サッカーなど選手間で接触のあるさまざまなコンタクトスポーツを行う人、さらに野球経験者や虐待を受けた人、交通事故の被害者、競馬騎手などです。

脳の中で何が起きているのか?
発症前の予兆から治療法の開発まで!!

2026年7月16日 9:07  カテゴリー:書籍紹介

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